台風21号や北海道の地震などで被害に遭われた方々にお見舞い申し上げます。
全国各地の皆さん
先月生活保護基準切り下げのことでメールをした「反貧困ネットワークあいち・生活保護問題対策委員会」の藤井です。おかげさまで、全国各地からさまざまな方からのご協力が得られました。ここにその結果について報告し、感謝し、お礼をする次第です。
1.署名運動の結果(合計:2315人・筆)
8月末を期限にした賛同署名は、①インターネット・メールによる賛同者は、北海道から沖縄まで、1181名となり、②用紙による賛同署名は、愛知県を中心に、三重県・岐阜県などの人により、1134名となりました。
2.9月3日に厚生労働省に賛同者リストや署名用紙を提出して、要請しました。(写真参照)
呼びかけ団体からは藤井が行き、全国生活と健康を守る会連合会の田川さんの同行の下、厚労省社会・援護局保護課基準係加藤浩一係長に、賛同者リスト記載の要請書と署名用紙も渡して、要請をしました。
そして、改めて生活保護利用者の苦しい実情を訴えました(注)。
生活保護利用者はみんな工夫して生活しているが、引き続く引き下げに本当に苦しい生活をしている。生活保護制度は、最後のセーフティネットであり、人間らしい生活ができるようにするのが役割だ。ぜひ引き下げを止めてもらいたいと、強く要請しました。
田川さんは、学者が「健康で文化的な生活のためには、住宅扶助を除いた生活費としては月14万円は必要」という研究結果を出している、と話しました。
3.保護課加藤係長からは、国会審議でもいろいろな批判・意見を頂いた。今日も皆さんから実情などを聞かせて頂いた。だからと言って、予定されている引き下げを止めるわけにはいかない。生活保護利用者に理解してもらえるようにパンフレットも配布する予定である。引き下げを認めてもらえないだろうが、ご理解を頂きたいと思っている、との返答がありました。それに対して、私たちは、「今回、非常に短期間にもかかわらず、生活保護利用者を含む多くの人が切り下げに反対の意思表示をしている。真摯に受けとめ、切り下げを止めて頂きたい。」と改めて要請しました。
4.「いのちのとりで裁判全国アクション」も署名追加分を提出
田川さんからは、生活保護切り下げに反対して全国で行われている裁判運動に取り組んでいる、「いのちのとりで裁判全国アクション」が、今年1月末締め切りで集めていた「生活保護制度の充実を求める緊急署名」の未提出の1,761筆分が提出されました。これまでに提出した署名は86,581筆で、累計88,342筆となりました。
以上で、厚労省への要請行動を終えました。皆さん、本当にありがとうございました。
皆さまのおかげで、生活保護問題をあまり知らない方々にも問題を知ってもらう機会にもなりました。機会がありましたら周囲の方にもよろしくお伝え下さい。
(注)例えば、Aさんは、朝食は食べずにコーヒー1杯飲む程度、昼食はおかず1品だけつくり、作り置きのみそ汁と食べる。ガス台倹約のために昼につくったおかずを夕食にも食べる。肉は月1回の特売日に安い物を買って食べるだけ、外食には行かない。銭湯は高いので行かず、タオルに水を浸して身体を拭いている。行楽やお茶に誘われても行けないので、その内に誘われなくなり、人間関係が切れてしまうこともある。
Bさんは、衣類については、靴下と下着以外は買ったことがなく、友人などからもらったものを着ている。下着は黄ばんだり少し破れても外から見えないので1年に1回ぐらいしか買わない。エアコンは故障しているので暑い真夏も扇風機で過ごしたり、図書館等に行って涼をとる。生活保護を利用してからは外食はしていない。